発達障害のある方への就労支援のポイント
発達障害のある方への就労支援のポイントは、次の6つだと考えています。
- 本人の希望や興味を的確につかむこと
- やりたい仕事ではなく、できる仕事をマッチングさせること
- 障害などの特性を踏まえて可能性のある職業を見つけること
- 働きやすい環境を調整することを身に付けること
- 事業所に的確に必要なことを伝えること
- 事業所に依頼することを正確につかむこと
このいずれの項目も 「アセスメント」 と 「プランニング」 が必要です。
私たちは、この 「アセスメント」 と 「プランニング」 を行います。
そして、ハローワーク、障害者就業・生活支援センターなどに行くに当たっての注意事項や実際に何をどう話せばいいのかを具体的に示したいと考えています。
また、実際にジョブコーチとして働いている方に対しても支援者の特性のアセスメントや就業に向けてのプランニングについて助言を行います。
発達障害とニート
大人の発達障害として最近問題になっているのがニートです。20代~30代を中心にその数は増えているといいます。
ニートになる人の中には発達障害のある人が多く含まれているのではないかと考えています。マニュアル的な仕事はできるようになっても、世の中の多くの仕事は正解、不正化といった白か黒かで判断されるものはほとんどなく、グレーゾーンの際どい判断をあらゆる妥協のもとでおこなっていますが、このグレーゾーンの判断が発達障害のある人には最も難しく、ストレスの溜まるものなのです。
また、社会には暗黙のルールのようなものが沢山ありますが、それらがわからずにうまくやっていくことが困難なのです。「新しい環境への適応能力=流動性知能」が低いために会社を続けるのが辛くなり、悪化するとドロップアウトし、引き籠ってしまう場合もあります。せっかく就職活動を経て一流企業に入っても、一年以内にドロップアウトしていわゆるニートになってしまう新入社員に共通しているのは、この流動性知能の低さなのだそうです。
発達障害を抱えた人たちの就職
仕事というのは、転職を繰り返しながら自分に合った仕事と巡り合うことを期待するようなものではないと思っています。自分に合っていない仕事に就いて傷つき、自信をなくしてしまっては、再起に莫大なエネルギーが必要になってしまいます。発達障害を抱えている場合、特に自信をなくしやすい傾向にあります。
発達障害を抱えた人は、できるだけ挫折せずにほめてもらいながら自己肯定感に支えられながら続けるような仕事を見つけることが大切になります。
特別支援学校の就労支援
特別支援学校は、これまで、知的障害者や肢体不自由者、病虚弱者のための養護学校、視覚障害者のための盲学校、聴覚障害者のための聾学校と言っていたものです。
就職など考えた場合、高等学校に当たる高等部のあり方が重要になっています。現状では、高等部だけの高等特別支援学校や高等部普通科がその中心となりますが、近年になり軽度の知的障害者の生徒を対象にした職業科を設置したり、普通科の中に職業コースを設置したりして、高度な職業教育を行う特別支援学校も増えてきています。